幻灯劇場「56db」二カ国三都市ツアー名古屋公演

物語

月の上で愉快に暮らすムーンピーポーの平穏な日々は危機をむかえていた。三日前突如として現れた月外生命体KAGUYAの襲撃により、全滅まであと三人。男しかいないから、どうがんばっても子孫が残せなくて絶滅は免れないとかは、置いといて。三人は生き残りをかけ、ついにKAGUYAとの直接対決に挑む。56db以上の音を立ててしまうと、KAGUYAに居場所を知られてしまうため、56dbを超えないようにスルガフジ作戦を決行するムーンピーポー達。しかし、微かな関節の軋む音、お腹がなる音、観客の笑いをこらえる音でKAGUYAに発見され、何度も襲撃を受ける。次々と倒れていく仲間達。ムーンピーポーは生き残れるのか!?はたして、KAGUYAの真の目的とはいったい…!?

音に反応する映像プログラムと、民族舞踊・ストリートダンス・コンテンポラリーダンス、それぞれジャンルの異なった三人のダンサー、裸足と聴覚だけを与えられ感覚研ぎ澄ます俳優たち、劇場に居合わせてしまった観客達が織り成す、天涯孤独のハートフルコメディ。


名古屋学生演劇祭 招致公演

 日時:2017年8月31日〜9月3日 会場:うりんこ劇場

審査員特別推薦枠で追加公演


”とても面白かったです。設定を短い時間でスマートに伝えていたのが達者でした。また俳優の身体、照明と音響、衣装、映像などの技術、観客参加型などのすべてが絶妙に絡み合い、壮大なバカを全精力を傾けてやっている所が面白く、特に1ステージ目は自分も【参加】して楽しんでしまいました。最後、こちらに向かってくるカグヤの気持ち悪さも含め、審査対象であれば、文句なくこれが1位だったように思っています。決勝に出た東海の三作品、どれも面白く観ました。が、20分という時間にどれだけ深く面白く作れるか、ということに関しては、もったいないところを感じました。審査対象枠ではなかったですが、幻灯劇場が頭ひとつ、ふたつ抜けているという印象を受けました。”

劇団あおきりみかん 鹿目由紀

”彗星のように現れた、名古屋学生演劇祭キング・オブ・バカ。56デシベル以上の音が鳴ると月外生命体KAGUYAに襲われるという設定のもと、赤黄青の三色にわかれたマスをルールに乗っ取って進んでいくバカバカしさ。本当に何が起こるかわからない本番であるにも関わらず、キャスト・スタッフ全員すこぶるアドリブ力が高く、観ていて全く飽きませんでした。「ここはこうした方が良かったのに」という発言は審査員の誰からもなく、「これはこれでいい」という結論に達するのに、そんなに時間はかかりませんでした。審査員推薦枠でどの団体を決勝に出場させるのか、もうちょっとモメるかなと予想していましたが、フタを開けてみれば一瞬で勝負は決しました。京都での上演、多くの観客が殺到し、驚きをもって迎えられることを祈っています。" 青年団リンク キュイ・主宰 綾門優季

"エキシビジョン参加でなければ個人的には審査員枠で推していた作品です。 圧倒的な身体能力、独自性、独創性、表現力を持ったクリエイター集団が「本気で挑んだ」レクリエーション的ステージパフォーマンス、という印象。 月の住人から地球人への動画メッセージから始まり、彼らの生活を脅かす「月外生命体」との争いの一幕を、ゲームライブで展開していく。これが観客の心を終始掴んで離さなかったのは、「ゲームのルールがシンプルでわかりやすい=ストーリー構成」、「ゲームクリアの難易度が高い=身体能力と頭脳力」「笑いを堪えさせることで爆発的な笑いを起こす=心理的アプローチ」を計算し尽くし、それを見事に利用していたから、かと。 それだけではなく、俳優の演技力も見事。 常にゲームの進行と観客の空気を掴み、客観的に言葉や居住まいを選んでいく男性陣のアドリブ力、ラストシーン、ただ前に歩いてくるだけのシーンで観客に緊張感や脅威を与える女優陣の身体演技も素晴らしく、笑って楽しんでいた観客を一気にストーリーの中に引き戻すには、彼女たちの演技力が不可欠でした。 ゲームのみだとステージによってかなり出来不出来分かれますが、彼ら彼女らの演技力が根底の物語に引き戻し、満足感を得られる。見事な挑戦とパフォーマンス。「他の作品も観たくなる」というのが、何より彼らの力量と本気度の証だと思いました。" 空宙空地 おぐりまさこ

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